はじまり

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隼人は僕がおこした行動に少し驚いた様子で目を見開いていたが、やがて笑顔になってハムスターのように頬にカルボナーラを詰め込んでもぐもぐしている僕の頬を突いた。 「可愛いキスありがと、すごく嬉しかったよ」 隼人はそう言うと自分が注文したカレーを食べ始めた 「君たち本当何で今まで付き合ってなかったの?もうすっかり2人の世界できあがってるじゃん」 蒼が呆れて言うと、隼人は 「晃は俺のこと恋愛として好きじゃないの感じてたから、逃げられるのが怖くて言えなかった」 「それにしてもすごい忍耐力だよな。目の前に好きな子が無防備にしていて、なにもなかったなんて」 蒼がからかうと、隼人は少し考えて 「何度も押し倒しそうになったし、キスもしそうになったけど、嫌われたくなくて我慢してた」 そう言った。 (おしたおし・・・きす・・・) それを聞いた僕は危うく口一杯に頬張ったカルボナーラを噴き出すところだった。 なんとかそれを飲み下して 「隼人はなんで僕のこと好きになったの?」 そう聞くと、少し考えて言う。 「晃の、泣き顔にグッときたから。あと、単純に俺だけを頼ってくれたのが嬉しくて、俺が守らないとっておもったから」 つまりは僕の行動が僕に恋した原因だったのだ。 「隼人・・・なんか、ごめん」 しょんぼり項垂れた僕に隼人は頭を撫でながら言う。 「晃のせいじゃないよ。それがなくたって俺は晃に恋をした。そういう運命だったんだよ」 そう言って微笑んだ。
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