始めよう

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僕と隼人は講義が終わると大学を後にして近くの繁華街へやってきた。 小腹が空いたのでクレープ屋に立ち寄る。 「僕は餡子白玉クレープにしようかな、隼人はどうする?」 僕はウキウキしながらメニューの看板を熱心に見て食べたいものを決めたが、隼人はチラリと見ると 「ツナクレープにする」 と、即座にきめてしまった。 「隼人はいつでも決断が早くてうらやましいなあ」 クレープの生地が円盤状のホットプレートに注がれ、専用の棒で生地が伸ばされ円盤状になって、それに餡子と白玉、ホイップクリームがトッピングされるのをウキウキみていた僕は隼人に言った。 「いや、いつも決まったものしか頼まないだけだから。それより、毎回ちがうものにチャレンジする晃の方がすごいよ。尊敬する」 たかがクレープで尊敬されても、と僕はおもったが、いつも僕を引っ張ってくれる隼人からの尊敬は心地いい。 「あっちに座って食べようか」 隼人はツナクレープを受け取ると、歩道の真ん中にある植樹の段差に腰掛けた。 「甘くて美味しい!!白玉ももちもちしてるー」 僕は好みの味のクレープが食べられたことにウキウキしてパクパク食べ進めていった。 隼人も横でモソモソクレープを食べていたが、食べ終わると僕の顔を見て吹き出した。 「晃の顔・・・子供みたいだな」 どうやらクリームと餡口周りについてしまっていたようだった。 「笑うなよ。クレープたべたらこうなるの!」 そう言ってカバンからウエットティッシュを取り出そうとしてカバンに手を入れると、その手は隼人によって押さえ込まれた。 次の瞬間、隼人の温かくてしっとりした舌が僕の口周りをなぞって餡とクリームをなめとった。 「ご馳走様」 隼人はそう言ってペロリと唇を舐めた。
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