幼い日々

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「隼人まってよー」 僕は相変わらずグズで仲間たちから大幅に遅れをとっていた。 「ほら晃、手繋いでやるから」 そう言って隼人は小さな手を僕に差し出してくれる。 「隼人ありがとう!僕隼人大好き」 僕は無邪気に隼人に笑顔を向けた。 隼人も優しい表情で僕をみてくれる。 「おーい,隼人!そんなグズ置いておいて早く泳ぎにいこぜ!」 先を行く他の男の子が隼人を呼んだが、隼人は首を振って 「先に行って!俺は晃と行くから」 そう言ってかばってくれた。 隼人は人気者で、みんなが隼人と遊びたがったし、一緒に過ごしたがった。 でも隼人はいつもどんな時もぼくを優先してくれる。守ってくれる。それがとても嬉しかった。 「隼人はどうして僕のこと守ってくれるの?」 僕は疑問を投げかけると、隼人は笑って言う。 「晃が好きだからだよ」 「それって親友ってこと?」 僕は嬉しくなってそういうと、隼人は肯定も否定もせず微笑んだ。 「そんなことよりほっぺたに米粒ついてる」 そういうと隼人は僕のほっぺから米粒をとるとパクりとたべた。 「隼人ありがとう!隼人はお兄ちゃんみたいで一緒にいるとほっとする」 僕が無邪気に笑うと隼人は少し寂しそうな表情をしたが、すぐに元の優しい笑顔に戻り、僕の頭をガシガシ撫でた。 「晃だけだよ、俺が守りたいと思うのは」 隼人はそう言うと僕の手をぎゅっと握って胸に押し当てた。 トクトクと早鐘を打つ心臓。 それが心地よかった。
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