始めよう

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恋人繋ぎをすると、隼人の長い指が僕の女の子みたいに小さな手を包み込むようになって、とても心地いい。 一緒に雑貨店を見ていると、僕が好きなデザインのマグカップを見つけた。 「そういえば隼人の家に僕のマグカップなかったよね。僕これ買って置いてもいい?」 隼人はそれを聞くと笑顔になり、僕が選んだマグカップと色違いのマグカップの二つを手に取るとレジに向かって行った。 「隼人!僕が自分で買うから」 「ん、俺の家の食器増やすんだから俺が買う。と言うより買わせて欲しい」 そういうとさっと会計を済ませて戻ってきた。 「この後どうする?まだブラブラする?」 隼人はそう提案してきたが僕は早くマグカップを使いたくて、 「それより隼人の家に行ってコーヒーのみたいな」 上目遣いでそう言うと、普段あまり変わらない表情が一変して見開かれた。 だがすぐに元の表情に戻ると 「行こうか」 それだけ言って隼人は家に向かう為に駅へと歩きだした。
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