お祭り

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お祭り

季節は変わり夏がやってきた。毎日うだるような暑さで僕も隼人もへばってしまう。 「暑いなあ。教室にエアコンなかったら生きていけない」 隼人がそう言いながら扇子でハタハタと僕をあおでくれる。 「隼人〜僕はいいから自分をあおぎなよ・・・めっちゃ汗かいてる」 そういうと僕はハンカチを取り出して隼人の額と首筋の汗を拭う。 「俺は彼氏として晃には暑い思いをさせたくないんだよ・・・まもりたいんだ」 そう言うとまた僕を仰ぎ始めた。 「気だるげな姫可愛い♡」 「献身的な王子も素敵よね♡」 相変わらず世間は僕たちに優しかった。 2人でこういう恋人らしいことをすると、周りが色めき立つ。 最初は戸惑っていたけど、隼人も気にしていないし、もう慣れた。  「ねえ、暑いからキスしていい?」 そう問いかけてきた隼人は僕の答えを待つ前に扇子でかおをかくしてチッっとキスをした。
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