お祭り

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いきなりのことに僕はそのキスをかわせず、扇子で隠していたとはいえ公開ちゅーをしてしまった。 周りから黄色い声が聞こえる。 僕は顔を赤くして隼人に頭突きした。 隼人はおでこをすりすりしながら、 「晃の頭突きってワンコが頭から飛びついてくるのに似てて可愛いなあ」 隼人はそんなふざけたことを言っている。 可哀想に、暑さにやられてしまったのかとあわれんでいるとまたちゅーっとキスをしようと近寄ってきたので教科書で,ガードした。 「隼人、最近ちょっと浮かれすぎじゃないか?僕にばっかりかまって全然他のやつとはつるまないし心配だよ」 僕がそう言うと、隼人はまったく動じず、 「いや、俺は晃さえいればいいから」 そう言う。 (本当に心配だ・・・僕の存在が隼人の枷になっていなければいいのだけど) そう思うと胸がチクリと痛んだ。
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