お祭り

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僕と隼人は講義終わりに近くのモールへ来ていた。 目的はもちろん隼人の浴衣を買う事。 ちょうど良い呉服屋があったため、試しに入ってみた。 すると人の良さそうな老齢の女性店員が近寄ってきて、聞いてきた。 「ご兄弟で浴衣をお探しですか?よかったら揃いの柄もございますよ」 隼人は兄弟という言葉に反応して反論しようとしていたので急いで口を塞ぎ、 「友達なんです!揃いの浴衣、見せてもらって良いですか?」 そう言うと店員はあら、ごめんなさいねと笑って店の奥に俺たちを案内した。 そこで見せてもらったのはしじら織の色違いの浴衣で、腰紐だけ同じ色だった。 僕は買う予定はなかったけど、揃いの浴衣を着るのはカップルみたいでいいなと思い、お小遣いをはたいてい買う事にした。 隼人も店で1番大きいサイズを出してもらったのでサイズの問題は解決した。 「最近外国の方がよくこのしじら織の浴衣を買い求めるので大きいサイズもおいてあるんですよ」 そう言ってニコニコと人の良い顔で対応してくれていた。 「もしかしてこの後のお祭りにいくんですか?でしたらここで着付けて差し上げますよ。洋服は包みますからいかがですか?下駄は今サービスでプレゼントしていますから履き物の心配もありませんし」 それはありがたい申し出だったので、2人着付けてもらい、待ち合わせの場所に向かった。 おそろいの浴衣を着て、そっと手を繋いで歩くとかなり目立つようで、みなチラチラとこちらを見ていた。 「あのう・・・もしかしてですけどお兄さんたちカップルですか?」 途中見知らぬ女子高生達に声をかけられた。 ちょっと抵抗があったけど、 「そうですけど、それが?」 そう答える。 それを聞いた女子高生達はキャーキャー騒いで喜んでいる。 「どうしたの?」 僕が優しく聞くと彼女達はどうやら同人活動をしている子たちらしく、道端でリアルBL(しかも美麗)を見かけて思わず声をかけてしまったらしい。 「あの・・・お写真よろしいでしょうか?できればラブラブな感じで」 そう言うと隼人がサッと僕の腰を抱いて顎を持ち顔を近づけた 「これでどう?」 隼人がそう言うと女の子達はキャーキャーいいながら写真を撮った。 僕はかなり恥ずかしかったけど、隼人がノリノリだったのが意外でつい流されてしまった。 「個人鑑賞用にして、snsには流さないでね、約束だよ」 そう言って女の子達と別れた
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