幼い日々

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桜が舞い散り、そのひとひらを掴もうと手を伸ばした。 ふわりと桜の花びらが僕のちいさな手のひらに乗る。 「みてみて隼人!花びら!」 僕は嬉しくなって隼人に桜の花びらを見せた。 隼人は優しくほほえむと僕の頭をくしゃくしゃ撫でた。 「もう小学生になるのに赤ちゃんみたい」 隼人は意地悪なことを言う時も優しい声音なので全然嫌な気持ちにならなかった。 「それ、くれる?」 隼人は僕がつかまえた花びらを指さして言った。 「これ?隼人にならあげる!」 僕はそう言うと隼人の手のひらに花びらをそうっと乗せた。 隼人はそれをポケットから出した真っ白なハンカチに包んでまたポケットに仕舞い込んだ。
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