新たな生活

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お昼時のカフェテラスは混雑しており、僕と隼人は席を探してうろついていた。 「晃!隼人!こっち空いてるぞ」 その時仲の良い辰巳蒼が僕たちを手招きした。 「ありがと!なかなか席が見つからなくて困ってたんだ」 僕が蒼にお礼を言うと隼人は何故か複雑な表情をしていた。 「晃はこの後講義取ってたよな?一緒に受けよう」 蒼は人の良さそうな笑顔で僕を見つめた。 「隼人いいよな?」   僕が隼人に確認すると蒼はぷっと吹き出した。 「隼人は晃のお母さんかよ。いちいち確認とらなくてもいいだろ?」 そう言ってからかうので僕は頬を膨らませて 「だって仕方ないだろ!隼人がどう思うか確認取るのは友達として当然なの!」 「ふーん・・・」 蒼は何か含みのある返答をしたが僕はそれに気が付かなかった。 「なあ、今度2人で出かけないか?隼人もたまには1人になりたいこともあるだろうし・・・この前学部のマドンナの綾音ちゃんから告白されてたじゃないか」 蒼の言葉に驚いた。 隼人は一言もそんなこと僕に言ってくれなかったから。 「余計なこと言うなよ」 隼人が低い声で蒼に凄むと、蒼はなんでもないふうに続ける。 「あーあ、お母さん怒らせちゃった。でもさ、映画のチケットが2枚あるから一緒にいかないか?隼人はその間に綾音ちゃんとデートしてこいよ」 僕は心の中がモヤモヤしたが、いつも一緒にいるだけではお互いのためにならないのかもと思い、思い切って隼人にいった。 「そうしようよ隼人、蒼、僕と一緒に映画にいこう!」
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