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第9話「陰陽の君」安倍晴明編 恋愛詩
紫色の桔梗を見ながら、あなたを想う。
あなたも昔、この花を見ていたのかしら
はるか昔の平安京、そこにあなたは、確かに生きていた。
わたしは昔へ思いをはせる
気づけば、恋焦がれていた。
あなたに逢いたい。
あなたの物語を、キーボードにのせ、あなたを形づくる
あなたに逢いたい。
紅い五芒星を指先に乗せ、さらりとすべらせて。
いにしえに問う。家族は、昔の人と笑うけど。
「あなたに憧れています」
言の葉を舌に乗せ、くちびるを動かす。
その音は、中空へ浮かび吸い込まれて消える。
あなたに夢でも、逢えたなら。嬉しい。
時の流れに引き裂かれた、
ロミオとジュリエットのように
待ち望んだ、言の葉は「カイコウ」
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