第9話「陰陽の君」安倍晴明編 恋愛詩

1/1
前へ
/24ページ
次へ

第9話「陰陽の君」安倍晴明編 恋愛詩

 紫色の桔梗を見ながら、あなたを想う。  あなたも昔、この花を見ていたのかしら  はるか昔の平安京、そこにあなたは、確かに生きていた。  わたしは昔へ思いをはせる  気づけば、恋焦がれていた。    あなたに逢いたい。  あなたの物語を、キーボードにのせ、あなたを形づくる  あなたに逢いたい。  紅い五芒星(ごぼうせい)を指先に乗せ、さらりとすべらせて。 いにしえに問う。家族は、昔の人と笑うけど。   「あなたに憧れています」  言の葉を舌に乗せ、くちびるを動かす。  その音は、中空へ浮かび吸い込まれて消える。  あなたに夢でも、逢えたなら。嬉しい。    時の流れに引き裂かれた、  ロミオとジュリエットのように  待ち望んだ、言の葉は「カイコウ」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加