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でも……
「凌空、大変だったな。
俺 連絡受けて驚いたよ」
と事件を知った洋二が言った。
「楠本も、反省してるじゃないのか?
ことの重体さに気づいてくれるといいな」
「うん、洋二……その色々と心配させてごめん」
「いいよ、それより、堀江さんは大丈夫なの?
舞華さんも」
「堀江さんは、二、三日中に退院できる
あと、舞華は……」
「舞華さんは?」
「精神的に落ち込んでる。自分を責めてる」
「やっぱり、ショックだよな。
刃物向けられたんだから
まぁ、おまえがしっかり隣にいるなら、
その、大丈夫だよ」
「うん……」
「何? どうした?」
「いや、病室で見たんだよ」
「何を?」
「堀江さんが……」
「堀江さんが?」
「病室で、舞華を抱きしめていた」
「は? 何それ」
「だから、舞華を好きらしい」
「堀江さんが? 舞華さんを? 好き?」
「俺、言われちゃった」
「何て?」
「傷治ったら話をしたいって」
「凌空おまえ、何不安がってるのよ」
「だってさ、堀江さん余裕なんだよな、
『大人の男の余裕』って感じがしてさ。
なんか、俺不安でさ」
「おまえ、何言ってるの?
おまえら、晴れてつきあってるんだろ?」
「そうだけど……」
「自信持て、大丈夫だ。
それより、舞華さんが元気になればいいな」
「そうだな」と凌空が言った。
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