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新たな旅立ち
凌空と舞華がなかなか踏み出せないでいる中でも時間は過ぎて行く。
季節は四月、春を迎え
凌空は、ついに大学四年生となった。
「凌空はそれでいいんだな?」
と父親の仁が言った。
「うん、決めたんだ。でもいいの?」
と凌空が尋ねた。
「いいもなにも、おまえが決めたことなら
父さんと母さんは何も言うことはないよ」
と仁が言った。
「お母さんも、それでいいと思う。
凌空が決めたことだから」
と母、星七も頷いた。
「凌空~、あと一年になっちゃったよな」
と洋二が言った。
「なに しんみりしてるんだよ」
「あ、そうそうあのこと聞いたか?」
「ああ、聞いた」
「で、おまえどうするよ? 今日だぞ」
「洋二はどうすんの?」
「俺は……その、色々あったけど、
見送ってやろうかと」
「俺も同じだ。色々あった三年間だったけど
アイツとは友達だったからな」
「じゃあ、凌空行くか」
と言うと凌空と洋二は空港行きのバスに
乗車した。
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