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国際線のターミナルに到着した凌空と洋二。
「あ、いたいた」と洋二が凌空に言った。
凌空と洋二が見つけた人物のところに
歩み寄ると声を掛けた。
「よ~楠本」
声を掛けられ驚いた女性が振り返った。
楠本美香、あの事件後『罪を償い』
新たな道を進むため、留学をすることに
なっていた。
今日はその旅立ちの日、
「凌空君、洋二君」と呟く楠本。
楠本の姿を見て二人が言った。
「楠本、おまえといた三年間は、
楽しいこともあったぞ」
楠本の目からあふれ出す涙。
そして、
「凌空君、洋二君 本当にごめんなさい。
心から申し訳ないと思ってる。
舞華さんや堀江さんにも取り返しのつかないことしてしまった。本当にごめんなさい」
と深々と頭を下げた。
「楠本、頭あげろよ」と凌空が言った。
「凌空君……」
「そうだぞ。おまえなら、やり直せるさ」
と洋二が言った。
「洋二君……」
「だから、頑張れ!」
と言うと二人は楠本に手を差し出した。
ふたりの手を握る楠本、
「楠本、元気でな」と凌空が微笑んだ。
「凌空君、ありがとう。さようなら」と言うと
楠本は、笑顔で日本を旅立った。
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