サプライズの

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舞華が日本を経つまであと少しになった。 「舞華、今週末ドライブに行こうよ」 「そうだね、暫く日本の景色は見れないから  見納めにいいかも」 「わかった。じゃあ、行きたいとこある?」 「そうだな~じゃあ、景色がいいところなんて  どうかな?」 「わかった。じゃあ、決めておくね」  と凌空が言った。 週末の土曜日、 早朝から凌空が運転する車で ドライブに出かけた舞華。 山・海・観光地等様々な場所を巡る。 夕方近くになり夕陽が車のフロントガラスに 差し込む。 すると、凌空が突然車を停めた。 「凌空どうしたの? 陽射し眩しい?」 と舞華が聞いた。 少しだまった凌空だったが、 助手席に座る舞華を見ると、 「舞華今日、泊まらない?」と言った。 凌空の突然のお誘いに驚く舞華。 「えっと、そのお泊り? ということは」 「うん、今舞華が思い描いてること」 「でも、突然で、お泊り用品の準備とか  ほら、女性は色々あるから」  と動揺する舞華。 「じゃあ、準備品があればいいって  ことだよね?」 「わかった。じゃあ、今から行こう」 「行くってどこに?」 「お店屋さん、この辺、観光地の中心部だから 舞華が買い物する間に俺、泊まるとこ探すから。それでいいよね?」と凌空が言った。 強引な凌空に、 「はい。じゃあ、それで」と舞華は返事を した。 買物をした二人は、凌空がネットで見つけた 小高い丘にあるペンションに到着する。 カウンターで受付をする凌空、 「ご予約の安藤様ですね。こちらにサインを」 「はい」と言うと凌空がサインをしていた。    ペンション スタッフが言った。 「お客様、  今日は夜空の星々が綺麗に観えますよ。  当ペンションは、天体観測もできるように  天体望遠鏡を貸出できますが、  あっ! お客様は、一週間前に  すでにご予約されていますね。  失礼致しました」 「え? 一週間前に予約済?」  と舞華が呟いた。  くるりと振り向いた凌空……     舞華の顔を見ると、 「へへへ。舞華ごめん」と照れ笑いをした。
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