行ってらっしゃい

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行ってらっしゃい

四月中旬、舞華と堀江が フロリダへ経つ日がやって来た。 空港で見送る凌空。 「舞華、いってらっしゃい」 「凌空、行ってきます」 舞華の首元には凌空が送った。 ペンダントが光っている。 「舞華、次に会うまで浮気すんなよ」  と凌空が耳元で囁く。 「もう、凌空そんなこと言わないで!」  と口を尖らす舞華。 「冗談だよ。舞華」と微笑む凌空。  「そろそろ行こうか」  と堀江が二人の元に歩いて来た。   「堀江さん、どうも」と凌空が会釈をした。 「凌空君、平の見送り?」 「わかってるくせに。  一応、行ってらっしゃい」 「おっ! 俺も見送ってくれるんだ。流石」 「あのさ~」と凌空が言いかけた時、 「堀江さん、ちょっと、私の大切な人を  いじめないでください」と舞華が言った。 舞華の言葉に堀江が微笑むと、 「はいはい、わかりました。平 行こうか」 と言うと歩き出した。 堀江が立ち止まり、振り向くと、 「凌空君、俺は、卑怯なまねだけはしないから  安心して。君とは正々堂々と戦うから」 と言うと出国ロビーに入って行った。 こうして、舞華と堀江は二年間の派遣予定で フロリダに向けて出国した。
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