何の報告?

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何の報告?

梅雨が過ぎると、季節は初夏の風を運んできた。 「凌空、おまえ凄いよな」 と洋二はよく冷えたカフェオレを 飲みながら凌空に話しかける。 「洋二 ありがとうな。  おまえがいてくれたから、俺も頑張れた」 「何、いきなり、照れるだろ」 洋二はストローで一気にカフェオレを飲み干す。 そこへ、凌空の所属するサークル 『天体観測 Moon Light』の後輩 恵が数名の女子と一緒にやって来た。 「安藤先輩、このたびはおめでとう  ございます」 「恵ちゃん ありがとう」  恵が恥ずかしそうに、 「あの……先輩お願いがあるんですけど」 「何?」と爽やかな笑顔で聞き返す凌空。 「私と、その……一緒にご飯行ったり、  会ってもらえませんか?」 「それって、告白? これまた大胆な」  と洋二が驚く。 恵みの言葉を聞いた凌空、 「恵ちゃん、ごめんね。俺、彼女いるんだ。  だから、二人きりでは会えないし、  会わない」 「そうですよね、わかってました。   すみません」  と言うと恵と他の女子はその場を  離れて行った。 凌空を見る洋二。 「何だよ洋二、気持ち悪い」 「まぁ、おまえも成長したな~って思ってさ」 「は?」 「でも、相変わらず、年上、年下問わず  女性にもてすぎるのは健在だな」  と洋二が呟いた。 「なぁ、凌空。報告はするの?」 「うん、やっと お金溜まったからさ、  八月に入ったら会いに行って来るよ。  報告しなくちゃ……舞華に」  と言うと凌空は空を見上げた。
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