それぞれの道

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それぞれの道

年が明けると、時間はあっという間に過ぎ、 二月の某日 凌空は仁、星七、洋二に 見送られフィンランドに向けて出国した。 そして、弥生 三月 今日は大学の卒業式。 「洋二、写真撮ろうぜ」 「ああ」と言うと、凌空と洋二は肩を組んだ。  パシャリ、パシャリ、パシャリ……  とシャッター音が聞こえた。 「なあ、凌空……俺ら、何か周りから  写真撮りまくられてない? 撮影会なみに」 「そうか? 気にするな」と凌空が言った。 「凌空先輩 洋二先輩、  一緒に写真撮ってください」  と女子大生や男子大学生が  二人の周りに群がる。 「あ、はいはい、順番ですよ~」  と洋二が順番整理をはじめる。 「やっぱり、おまえの『モテ伝説』は  最強だな」と洋二が呟いた。 「何か言ったか?」と凌空が聞いた。 「いいや なんでもないよ」 「洋二、今までありがとうな。  俺、おまえには昔から本当に助けられた。  離れ離れになるけど、必ず、連絡するよ。  そして、俺の夢必ず叶えるよ」  と凌空が言った。  「俺も、凌空と過ごした期間は俺の宝物だ  って、永遠の別れみたいだな。  でも、俺も凌空に負けないように頑張るよ。  そして、また会おうぜ。俺も連絡もするよ」  と言うと洋二は凌空に肩組すると  正門を出て行った。  ピコン……  凌空のスマホにラインの着信が入る。  画面を開くと、「凌空、卒業おめでとう」  と舞華からの短いメッセージが届いて  いた。  ピコン……  舞華のスマホにライン着信が入った。  画面には肩を組んで写る笑顔の凌空と洋二の  画像が写し出された。  そして、「ありがとう 舞華」  と凌空からの短い言葉が綴られていた。 そして、凌空は再びフィンランドに旅立った。 彼は夢への道を歩き出した。
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