転星物語

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「スイ!七曜学園に首席合格おめでとう!」 「ありがとう。お父様。」 「スイは本当にすごいな」 「お兄様もこの度、近衞騎士に任命おめでとうございます」 「ありがとう。スイもおめでとう。」 家族三人で囲むディナーの時間。 そこには誰の邪魔もない。 「そういえばお父様。『月』様がそろそろ地球(母星)に行かれるの?」 「そうだよ。そのために『星』が選ばれるんだ。」 「十五歳未満の男女、星を問わずに選ばれるんだよな」 「その『星』とはなんですか?」 「『月』様が地球(母星)に行かれるから、太陽神様の怒りに触れないように『星』を出すんだよ。夜空の中の星になって、『月』様の地球(母星)への旅の安全を守ってくれるんだよ。」 「そうなんですわね」 「このことはスイもそのうち学園で習うよ」 「私が習ったのは二年の時だったかな」 「楽しみになってきましたわ」 この時は誰も思っていなかっただろう。 かの方が『星』などという響きだけの残酷なものに選ばれるなど。
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