転星物語

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「お嬢様。お召し物です。」 「ありがとう」 かの方が『星』となった日から七曜会議館の一室で過ごしている。 ここは何もないところで、暇つぶしが難しい。 しかし、かの方はそのような状況下でも強かった。 「テン。銀河とは星の集まりです。」 「はい」 「(わたくし)もその一つとなるのです」 「そうですね」 「もし、(わたくし)が星となった日には広大な夜空から探してくれませんか?」 「もちろんです」 「ありがとう」 花が咲いたかのような笑顔。 その笑顔が今、私だけのものだと思うと嬉しくなった。会った日から思っていた。かの方は見ている人に気持ちの良い笑顔を向けている。本音も建前もなく、ただ義務や仕事としてその防壁の笑顔を纏っている。しかし、今のこの笑顔は心からそう思っている。その笑顔を一生見ていたい。私だけのものにして、私だけを愛してほしい。 その時に気づく。 私はかの方が好きなのだと。 かの方に執着的な愛を持っているのだと。 あの拾われた日からこの人を組み敷いてしまいたい。 私は今、それを知ってしまった。
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