転星物語

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かの方が亡くなってから何年かが経った。 どれだけ星空の中を探しても見つからない。 かの方の輝きは誰にも劣らぬはずなのに、なぜこうも見つからないのか。 いつのまにか私は生に執着し、生き続けていました。 あなたの使いの者からクビになり、ホームレスをずっと続けています。街行く人から唾をかけられても気にしません。なぜなら、あなたが信じてくれているから。 七曜では死者を生前の名前で呼ばない風習があります。 お嬢様からかの方に変わり、今はあなたと呼んでいます。 気づいておりますか。 私はここにいる。 その眩しい笑顔を私に見せてください。 『テン。(わたくし)は星などになっていません。早くやめてください。探せなどと言ってあなたの時間を奪った。私は大罪人です。あなたの幸せを掴んでください。(わたくし)のことなどもういいから、あなたの幸せを優先して……。』 不意に長年愛するあなたの声がする。 耳元で聞こえるそれに嬉しさを感じる一方、あなたがどこに行ったのかわからない。 ああ、私が生きる意味など最初からなかったのだ。 そう思うと胸が空っぽになった。 ああ、あなたがいない世界などもう生きても意味などない。 ナイフを持つ。 今日までにつけてきたあなたのための日記も意味がない。 その刃を手首に当てる。 あなたに会いたいだとか愛してほしいと思って信じ続けたのも意味がない。 血がタラタラと流れていく。 こんな醜い私など最初から裏切っていたのですね。 どんどん意識が回らなくなる。 では、最後に私が幸せになるためのことをしましょう。 いつのまにかナイフを首に当てていた。 「あ、なた、の、、こと、を、、おい、かけま、、、す、ね、、、」 あなたがいる世界へ私もいきましょう。 私があなたのそばにいましょう。 ずっといますから、いつか愛してください。 私を狂うまで愛してください。
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