転星物語

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「なぜ、かの方が星に…」 そんな呟きなど意味がない。もう、あの方はいないのだから。 「どうして……」 私の張り詰めたこの想いをぶつければよかったのだろうか。 いや、いかれる間際にそのようなことなど傍迷惑だろう。 「かの方にもう一度会いたい…」 手を伸ばす先には光り輝く星がある。 それがかの方だとはわからない。 そうか。あの方は私を見守ってくださってるだろう。 「私もいつかそこにいきますから」 ああ、眠ってしまえば起きれない。 これでかの方の近くに行けるならば、私は何だって差し出せる。 だから、そんなに悲しそうな目をしないでくださいませ。
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