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しばらくして校長からの許可が下り、僕らは本格的に事件の捜査に臨むこととなった。まずは昨日話を聞けなかった生徒達から話を聞こうと考えた。現状では事件に深くかかわっていない警察が判断したとはいえ、何か知っているかもしれないと考えたからである。
朝八時頃になり、二組の生徒達が集まりつつあった。もっとも事件のあった教室ではなく、他の階にある空き教室を一時的に使うことになっただけである。僕らはその空き教室の近くに向かうことにした。
「じゃあ、まずは聞き込みに行こうか」
僕は梅野君に提案した。彼も頷くことで同意し、三階へと向かった。
「あの、すみません」
不意に花木先生が声をかけてきた。
「どうかしましたか?」
「あの、先程はすみませんでした。それで、あなた方に話しておきたいことがあるんです。金子君はああ言っていたのですが、ここだけの話、先生と揉めていたのは菊池君だけでなく、金子君なんです。恐らく、警察に告げ口したのも彼でしょう。私は彼が揉めているのを目撃したのですが、こう言っていたんですよ。『殺してやる』って」
僕らの中で、また新たなる疑惑が生まれた。
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