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第1話
桜の開花予想は
年々はやくなって
散るときは
あっという間で
風が吹けば
花びらはゆらめいて
そこから離れていく
それに包まれて
儚さをみながら
どっかで
桜に同情でもしてるみたいに
物は言いようで
桜のはなびらの隙間に
笑えない顔した自分を隠して
綺麗だなんてわらう
花びらにうつる顔が
ぼやけていくのに
ぼやける程に
ずるくなって
なんとか笑いってやつで
見えないふりをして
誰かにはみえてるなんて
0時になったら
目をとじてみる
遮断しなきゃいけないから
気づいたもの
気づきたくなかったもの
ふれようとした指先が
届かないうちに
手をひいたらいい
ただそれだけのこと
いつまで心の余白を
あけているんだろう
誰のための余白
小さな傷だからいたむ
みえにくいから
大きな傷だから止まる
こわいから
またねが明日への約束
自分とのささやかな
秒針はすすんで
遮断した世界は
おかまいなしに
過去になっていく
ひとつしか、もたないから
たくさん分けられないけれど
花びらのように
散りばめられたなら
ひらりと
ひとひら届きますように
儚さよりつよさを
足りないなら
手を伸ばす勇気と引き換えに
誰がいったのか
空は青いだなんて
なんとか時代には
青は青じゃなかったりして
彩なんて曖昧で
だけれど
かけがえないもの
同じ景色はなにいろ
きっと一緒にはなれない
少しでも
一緒をみれるように
同じ時間を
いまを
進むしかないと
心のどっかで言っている
大丈夫だと
言わなくていい時間を
ありがとう
待ち合わせをしなくても
いつでも桜の場所にいけば
思い出す幸せがある
時間の欠片を大切に
ひろったら
また少し ちょっとだけ
誰かさんの涙を
みせてもらえるように
この時間を
好き勝手にとびまわる
いきついた先に
余白が好きな
場所になりますように
悔しさとはがゆさで
そんなもので
この余白は埋められない
まんざらでもない一瞬を
積み重ねたら
難しいこと考えないで
花びらにうつる姿を
いとおしく想えますように
これは
余白に紡ぐ言葉
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