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「お兄ちゃんって、黒猫好きだよね」
僕が、鞄に新しく買った黒猫のキーホルダーを付けていると妹が話しかけてきた。
「まあね」
「猫は好きなの知ってたけど、黒猫は飼ったことないのに」
変なお兄ちゃんっと妹がいうのを聞き流しながら、僕はキーホルダーを見つめる。
偶然見かけたそのキーホルダーの黒猫の目の色は、青色だった。
思わず手に取り、値段も気にせずに買ったのは言うまでもない。
青いネモフィラの花言葉は“あなたを許す”そして、“清々しい心”。
さっぱり忘れ去ることはできないけれど、僕は前を向いて歩くことに決めた。
すぐに自分を責める性格をなるべく直せるように努力をして、前向きに物事を考えるように気を付けるようになった。
僕があの綺麗で少し恐ろしい道を歩くことはもう二度とない。僕に命を全てくれたあの猫とまたこの家で暮らすこともできない。
でも、僕は今日もちゃんと自分の足で自分の意志で、自分の進みたい道をきちんと歩いていく。
今度、あの猫にあったときには横に並んで歩けるように。
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