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春の酔い
夜明けに涙を流す男を見たことはありますか?
私は二度ある。
一度目は、時任翼に持ち帰られた翌朝だ。
時任と初めて面識を持ったのは数合わせで参加した合コン。終了後、ラブホに連れ込まれた。一目惚れや運命の出会いではなく、単に、髪形のせいだと思う。
時任は黒髪ストレートロングの女が大好物。胸焼けするくらい食い散らかしてると評判だ。
時任と特に会話が弾んだ訳ではない。楽しそうな声でみんなと話している割に、なんだかひどく冷めた目をしていたのが印象的だった。
あとは、時任から誘われた時、ほろ酔いで気分がよかった。それに尽きる。
「美羽ちゃんだっけ? フェラしてよ」
部屋に入った途端これか。
非常に即物的だけど、はっきり指示を出される方が、わかりやすくていい。
時任はジッパーを下ろしてズボンを少し下げ、下着からゆっくり男根を出した。屹立するものは立派で、口に入るか微妙な太さだ。というか、もう勃ってるのか。
「ほら。やったことない?」
「あるけど、こんなにおっきくなかったし」
「嬉しいこと言ってくれるね」
時任は下卑た笑い声を上げた。お綺麗な顔に似合わない笑い。
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