春の酔い

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 髪が邪魔なので耳に掛け、左手を男根に添え、出てきた先走りを舌で舐めとる。ぴちゃぴちゃという音がして、なんだか夢中で舐めているかのように錯覚した。変にしょっぱくて、妙な味なのに。 「ん……」  時任が吐息交じりの声を上げる。もっと聞きたくて、鈴口を穿るように舌先で少し強くなぞると、時任の手が私の頭をそっと引き寄せた。 「いいけど……ほら、がんばって口に入れて……」  精一杯口を開け、時任のものを咥えた。舌で裏筋を攻める。別れた男から、ここは外すなと言われた。 「そう……上手……」  そっと頭をなでられ、なんだかうっとりする。しばらく優しくなでられていたと思ったら、急にぐっと引き寄せられた。喉の奥に時任のものが当たり、えずきそうになる。それでもかまわず、時任は私の頭を押さえつけるように前後させる。イラマチオ。時任はしばらく私の咥内を蹂躙すると、突然うっとうめいて射精した。思わず勢いで飲んでしまう。ニガシオ。むせて咳き込む私に、時任は笑顔でティッシュの箱を差し出してきた。
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