春の酔い

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 私は眠りが浅く、すぐ睡眠のサイクルが狂ってしまうタイプだ。  だから、その日、明け方に目が覚めたのも特段不思議ではない。熟睡できたようで、疲れは感じなかったけど。  時任のものは、今まで寝た男の中で一番大きかったので、寝て起きた後も股間に違和感があった。まだ時任が入ってるみたいな。微妙。  隣を見ると時任はいない。あれ? と思い、見回すと、時任は窓際に立って外を眺めていた。  窓から見える明け方の空は紫とピンクのグラデーション。オレンジの太陽の光が意外とまぶしい。  不意に時任が立ち位置を変えた。時任の頬が光って反射する。涙だ。  悔しそうでも悲しそうでもなく、無表情で涙を流す時任に、なんだか妙にどきどきする。  こちらへ戻る気配を感じたので、そっと目を閉じ、寝たふりをした。少し距離があるし、気づかれてない。そう思いたい。  結局、数時間後、お互い黙々と帰り支度をし、ラブホの前で別れた。
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