gift

4/14
前へ
/14ページ
次へ
それ、何飲んでる?と言葉を続けると、 彼はグラスを差し出した。 「カルーアミルク。飲む?」 「大丈夫。僕は甘過ぎるのは飲まないんだ」 「そうかー」 「今夜の1杯目は、ギムレットかな」 「川瀬くん、こう見えても岸野くんは お酒がかなり強いから驚かないでね」 とマスターが言葉を挟んだ。 彼は僕を見つめ、 「すごいなあ‥‥」 と呟いた。 「マスター、あとナッツの盛り合わせを」 「はーい」 「今夜は時間ある?良ければ付き合って」 「もちろん。付き合うよ」 彼と微笑み合った僕は その時はまだ考えもしなかった。 彼が偶然を装って、近づいてきた理由を。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加