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それ、何飲んでる?と言葉を続けると、
彼はグラスを差し出した。
「カルーアミルク。飲む?」
「大丈夫。僕は甘過ぎるのは飲まないんだ」
「そうかー」
「今夜の1杯目は、ギムレットかな」
「川瀬くん、こう見えても岸野くんは
お酒がかなり強いから驚かないでね」
とマスターが言葉を挟んだ。
彼は僕を見つめ、
「すごいなあ‥‥」
と呟いた。
「マスター、あとナッツの盛り合わせを」
「はーい」
「今夜は時間ある?良ければ付き合って」
「もちろん。付き合うよ」
彼と微笑み合った僕は
その時はまだ考えもしなかった。
彼が偶然を装って、近づいてきた理由を。
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