【4P】告白

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まだアーロンの話をどう理解すれば良いのかはわからない。 でも、私には心配なことがあった。 「もし、金星に一緒に行くってなったら、もう二度と家族には会えないってことだよね?」 「心配はいらないよ。長期の休みだってもちろんあるんだから。そういう時に戻って来れるよ。」 「えっ…そ、そうなの?」 アーロンは落ち着き払って、うんうんと頷いてる。 「それに、もう何年かしたら、地球に長距離転送装置を設置するって話があるんだ。」 「なに、それ?」 「金星から地球に瞬間移動する装置だよ。」 「そ、そうなの…?そうなったら便利だね。あ…でも、私…金星の言葉わからないけど。」 「大丈夫。脳に翻訳機を埋め込めば良い。もしくは、催眠学習だね。」 アーロンはいとも簡単にそう答えた。 「じゃ、じゃあ、住む所は?」 「食べ物は?」 「酸素はあるの?」 思いつくままに、私はいろいろ質問したけど、アーロンは澱みなくそれに答える。 「他に何か質問は?」 「……ない。」 「何か心配なことはあった?」 「……ない。」 「じゃあ、大丈夫だよね?」 「……はい。」 それから数週間後…無事、結婚式を済ませた私達は暗い山道を車で走っていた。 それは、このあたりでは『UFO山』と呼ばれている場所。 「ここに基地があるの?」 「そういうこと。」 突然、山の斜面が左右に開き、車はその中に入って行って、エレベーターのようなもので静かに下がって行った。 「うわぁ…」 広い空間には、輝く銀色の丸い宇宙船が、何台も停まっていた。 (アーロン…本当に金星人だったんだ…) 「さ、行こうか。」 アーロンの差し出した手に、私は恐る恐る手を伸ばした。 怖い気持ちはあるけれど…えーい!女は度胸だ! スーッと音もなく開いた扉から中に乗り込む。 振動もなにもないけど、窓の景色が急に変わった。 そこに見える青い星は、地球… (さようなら…また戻って来るからね…) 青い地球はどんどん小さくなっていった。
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