1、冷徹な皇帝陛下の側妃になりました

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 ヴァルクはそう言って立ち上がり、さっさと立ち去ってしまった。  侍従たちも退室する。  残されたイレーナはドキドキしながら腰が抜けそうになるのを何とか堪えた。 「おおっ、陛下がさっそく妃と夜をお過ごしに」 「早くも皇子の誕生が楽しみでございますな」  ひそひそと話す家臣たちに囲まれて、イレーナはいたたまれない気持ちになった。  すると、侍女がイレーナに声をかけた。 「ではイレーナさま、参りましょう。お食事のあと湯浴みがあります」  そう言われて、イレーナはますます緊張した。  そして、心の中で叫ぶ。 (お母さま、どうか私を見守ってください)  イレーナ、18歳。初めて男と夜をともにする。
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