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さっきまで話をしていたけど、それは我慢していただけで、馴れた訳ではなくて、煽られ続けていただけだ。
「声……駄目。今、しゃべんないで」
甘くなる声を必死に抑えながら訴えるのに、先輩はクスクス笑うだけだ。
「響がいるとおしゃべりになれるよ」
「駄目、だって……あっはぁ」
緩く腰を動かされて、甘い吐息が洩れる。唇を噛み締めると、指がそれを解くように唇を撫でた。
「も、……きそう、だから……やめて」
散々煽られて、イキそうなのを塞き止められて限界だ。内ももは震えっぱなしだ。
「解いていいよ」
自身を握っていた手を解いていいと先輩の手が俺の手に触れた。
「駄目……」
「何で? 俺も限界だよ?」
余裕の笑顔で言われても信じられない。首を横に振って、なおもぎゅっと握り込んだ。
「お湯が…………汚れる。ここ、大浴場だから……」
今は寮生の殆どが寮にいない。だけど、パーティーが終われば入浴しに来るだろう。真新しいお湯を、汚してしまう。それに、人が入るとなると申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「いまさらじゃない?」
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