強請って、襲って

4/7
124人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ
 さっきまで話をしていたけど、それは我慢していただけで、馴れた訳ではなくて、煽られ続けていただけだ。 「声……駄目。今、しゃべんないで」  甘くなる声を必死に抑えながら訴えるのに、先輩はクスクス笑うだけだ。 「響がいるとおしゃべりになれるよ」 「駄目、だって……あっはぁ」  緩く腰を動かされて、甘い吐息が洩れる。唇を噛み締めると、指がそれを解くように唇を撫でた。 「も、……きそう、だから……やめて」  散々煽られて、イキそうなのを塞き止められて限界だ。内ももは震えっぱなしだ。 「解いていいよ」  自身を握っていた手を解いていいと先輩の手が俺の手に触れた。 「駄目……」 「何で? 俺も限界だよ?」  余裕の笑顔で言われても信じられない。首を横に振って、なおもぎゅっと握り込んだ。 「お湯が…………汚れる。ここ、大浴場だから……」  今は寮生の殆どが寮にいない。だけど、パーティーが終われば入浴しに来るだろう。真新しいお湯を、汚してしまう。それに、人が入るとなると申し訳ない気持ちでいっぱいだ。 「いまさらじゃない?」
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!