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「下着は用意できたけど、服は部屋に入れなかったから……」
「とっとと着替えて、会場に戻って来いっ」
相良先輩は末長を連れて急いで出て行ってしまった。
手渡された下着を身につけると、先に着替えた桃香先輩がやってきて、「お揃いだね」と笑った。
サンタクロースの格好は似合うとはとても言えないけど、今の時期限定でしか見られない格好に満足してしまった。
渡されたサンタクロースの衣装に俺も着替えた。
「2人ともサンタなんて、変ですね」
俺が言うと先輩は笑って、「響から何をもらおうか」と言いながら帽子を被せてくれた。
座ったままの俺を見下ろして、そのまま口付けられた。
余韻を引きずっていて、すぐに吐息は熱くなる。
「……ん……」
鼻から抜ける甘い吐息と一緒に抜けていく力。肩に回された手に身体を預ける。
舌が絡んで、水音がぴちゃりと響いて……「あの……響君」と声が聞こえてビックリしてその舌を噛んでしまった。
「ってぇ……」
その場にしゃがみこんだ桃香先輩の後ろには顔を真っ赤にした春が箱を抱えて立っていた。
「……ごめん。救急箱持ってきたんだ」
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