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俺を閉じ込めたくらいだから、謹慎か厳重注意って所だろう。
講堂に俺たちが到着すると、ちょうど仮装コンテストの開票結果が発表されていて、司会を相良先輩がしていて、サンタクロースの格好の桃香先輩が渡されたのだろう、白い袋から賞品を手渡していた。
「女装の部はうちの寮からは誰も出て無いからね。D寮か……」
春に言われてステージを見ると、D寮の生徒が照れてぺこぺこ頭を下げながらケーキの箱を受け取っていた。
「あのケーキ、桃香先輩……食べたかっただろうなぁ」
呟いて、周りを見ると立食のケーキのコーナーが目に入った。
「ねぇ、春。俺たちはこの後何も無かったよね?」
「後片付けくらいかな」
「ちょっと、行ってくる」
「え?」
ケーキコーナーに向かった。机を並べてクロスの掛けられたテーブルにはたくさんのケーキが並べられている。試食でもらったケーキと同じ、ミニケーキだ。
横にあった銀のトレーにいくつか選び取っていると、「さっき桃香様と一緒におられた方ですね」と声を掛けられて視線を上げた。
そこには料理室で桃香先輩に試食のケーキをくれたコックさんだった。
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