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クリスマス
片づけが粗方終わり、各寮の寮長会が集まって翌日の打ち合わせをして解散した。
部屋に帰った時には11時近くて、箱に入れてもらったケーキを冷蔵庫にしまうと、「疲れた~」と言いながらソファーにうつぶせた。
ぐったりして着替える気にもなれない。
桃香先輩はまだ片付けの段取りに追われていて帰って来ていない。
結局クリスマスプレゼントは用意できなかった。だけど、ケーキはたくさんもらうことができたし、夕飯だってもらうことができた。
帰ってきたら一緒に食べよう。
早く帰って来ないだろうか……。
じっと扉を見つめていた。
しばらくして、揺すぶられる感覚に目を開けた。
「あ……先輩。お帰り」
目を擦りながら起き上がり、座ったまま先輩を見上げると微笑まれた。その後、視線を部屋に移した。
「部屋に入ったらきっと、そのまま朝まで寝てしまうと思ったんで……」
部屋で寝てしまったら、桃香先輩は起こしには来ないかもしれない。せっかくのクリスマスだし、ケーキもある。
ケーキだけでも一緒に食べたい。
小さく首を傾げた先輩に、「ご飯は?」と尋ねると首を横に振った。
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