エピローグ

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エピローグ

「……あっ、……もう、無理」  白濁した液体が腹の上を伝って、流れ落ちる。イッタばかりなのにさらに上下に擦りあげられて、身体を捩った。  何度目かの放出に身体は限界で、頭を振っても中を穿つそれは熱を与えてくる。 「響」  掠れた低い声に呼ばれると、ゾクゾクと反応してしまう。  中を穿たれて、溢れ出したそれが厭らしい音を立てた。  室内が薄っすらと明るい。ゆっくりと目を開ける。寝ていたはずなのに、腕を動かす気力も無いほどに憔悴しきっていて、声を出そうにも喉が痛くて、言葉にならない。  隣に寝ているはずの先輩はいない。 『俺。響に甘えられたい。ここに閉じ込めて、一日中ベッドの上で甘やかして、溶かして、俺だけのものにしたい。俺にだけ懐かせて、俺だけに我侭言わせて、俺だけ、俺だけが触れて』  そう、俺は逃げられない。  明け方、『俺は言ったよ』とにこやかに言い放って、俺を抱き締めた。  温かい布団に包まって、先輩の部屋にひとり取り残されてまどろんでいるけど、不安は無い。
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