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部隊長に向けていたオートマグナムをホルスターにしまいながら、あっけらかんと
「バラすもなにも隠してないし、それを知った上で隊長はアタシを隊に区別なく扱ってくれてる…わ!」
そう言うとガヴィの右手から振り抜いた裏拳が部隊長の頬を打ちつけ、部隊長はそのまま横薙ぎに倒れる
「今のは父と隊長をバカにした報いよ。これが戦闘中なら遺体袋が1つ増えてたかもね」
同席していた警官はガヴィに畏れを抱いてしまっていた、力と冷徹さとプライドが戦場でエースと呼ばれる条件なのだと
「ルーニー大尉は凄いですね」
「何が?」
「わずか単騎でここの防衛EXMと連携して10数機もの中隊を退けて2人も…」
嬉々としてガヴィの武勇伝を褒める警官にガヴィは怒りの目を向ける
「敵とはいえ2人もの生命を奪った事はアタシのミスよ、褒められる事じゃ無いわ!」
遊撃部隊アストライア隊は裏で慈悲深い山賊と揶揄されている、機体は奪うが戦闘以外の生命は取らない事で有名なのだ
良く知らない連中はそんなアストライア隊のやり方をからかうが、戦闘を分かるプロからすれば相手の生命を取らずに戦闘不能にさせる事がどれほど至難の技か知っている。それゆえ遊撃部隊アストライア隊の立ち振る舞いは極東J国の次に地球連合軍の模範として、そしてアストライア隊の介入に何も言わないのが欧州では暗黙の了解となっている
そこに支援人形ラトから通信が入る
『ガヴィ、ライブラ2が到着したわ。私はローゼンリッターを動かしてスタジアムに持って行くからそっちはそのまま向かって』
「OK、ラトちゃんテンキュー」
スタジアムでは高速飛行輸送艦[ライブラ2]が着陸し輸送コンテナから作業用EXM[アーバイター]が災害支援用の物資を下ろしていた
「ストーム少佐!」
まるで数ヶ月ぶりに会う恋人かの様に(ガヴィ自身はそうだと思っている)駆け寄る
「ルーニー大尉、怪我は無いですか?…ってアストライア隊のエースの貴女には無用の心配でしたか」
「ひどぉい!そんな言い方無いじゃん」
「それだけ大尉の事を信用してるンですよ」
「むー…体良くはぐらかされた気がする」
「ははは(笑)それでローゼンリッターはどうされました?」
「あーそれならラトが持って来るって」
「そうですか、ちょっと予定が変わりまして搭載したらG国ではなく私と一緒にJ国に向かいます」
(少佐と2人きりでJ国!?それって婚前…)
「あ、向かうと言っても仕事ですしクルーも一緒ですよ」
「……………ちっ」
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