極東へ

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 入国審査を済ませ空港ロビーで待つカップルに、スーツ姿で出迎えた女性が声をかける 「ミスター、レスリー=ウィンストン。お迎えに上がりました」 「さすがJ国、無駄が無いのは良いね」  一見、女性っぽい中性的な風貌のレスリー=ウィンストンという男性。実は知る人ぞ知る超一流EXM(エグザマクス)マイスターでアストライア隊の向かう工房から招待されたのだ 「(リムジン)を用意しております」 「帰りは高速列車でお願い出来るかな?[駅弁]ってのに興味があるんだ」 「かしこまりました、手配致します」  レスリーは土産物売り場で物色する亜麻色のショートボブの少女に声をかける 「エレナ、行くよ」  エレナと呼ばれた少女は会計を済ましてレスリーのもとへ駆け寄る 「はい、レスリー様」  J国の物作り企業でも有名な本菱(もとびし)重工業、表向きは車両・造船・航空開発及び部品製造を主にしているが元々は数千年続く刀鍛冶の分家で地球連合公認のEXM(エグザマクス)専用の刀剣と連合量産機[アルト]の開発拠点の1つでもある  リムジンが向かっているのはJ国西部、内海に拠点を置く鉄鋼や造船が有名な地域であった  到着すると工場の格納庫に置かれたライブラ2が目立つ 40779055-dadd-4b2e-a7e2-b409584fd3cb 「良い(ふね)だ、今はどこに?」  レスリーの問いに先程の女性が応じる 「欧州遊撃部隊に配属されています」 「あの部隊か、楽しみだ」  レスリーは用意された工場用のジャケットとヘルメットを装着し工房へと向かう、そこではアストライア隊のメンバーが見守る中ローゼンリッターが運ばれる最中だった 「おっ?丁度良いタイミングだったね」  真っ先にストーム少佐が勘づく 「初めまして、もしかして貴方が会長の呼んだマイスターですか?」 「ええ、勉強させて貰いますよ」 「アストライア隊副隊長ロバート=ストーム少佐です」 「フリーのEXM(エグザマクス)マイスターのレスリー=ウィンストンです」  2人は挨拶する様に握手をするが少佐の目にレスリーの背後に神とも悪魔とも形容し(がた)(おそ)れ多い[何か]を感じ取る、レスリーの方もそれに気付いた少佐に対してピクリと片眉を動かし少佐の潜在能力を感じ取っていた 「流石は一流マイスターだ、手を握るだけで凄さが伝わる」 「貴方も只者じゃ無さそうだ。ボクの事はレスリーで良いですよ、その代わり少佐の事を[お兄さん]って呼んで良いですか?」 「よろしくお願いいたします、後ろの方は?」 「のエレナですよろしくお願いいたしますね」 「奥さん同伴で大丈夫ですか?」 「なぁに、ああ見えて頭良いンですよ」
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