永い、道

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 確かに私は気づいていないふりをしていた。  皆と同じであると、思っていたかった。  家族といても、クラスメイトや仲のいい友人たちといても、わずかに疎外感があったことを無視してきた。  なぜそう感じるのか、わからなかったから。  誰もが歩く大きな道。  私は、その道を歩いているつもりだった。  ところが足元を見れば、私が立っているのは細い道。大きな道から離れている。  大きな道から突かず離れず。けれど決して交わらない。そんな道。  なぜこの細い道を歩いているのかはわからない。  生まれた時からすでに歩いていたのか。  生きている間に少しずつ自分から離れていったのか。  どっちなら、私は納得できるだろうか。  それでもこれだけは言える。
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