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Sparkling Birthday-16-
新しい週が始まり、いつも通りの月曜日がやってきた。
いや、僕にとってはそうじゃないのだけど、そう思うことにした。
だって、そう思っていないと、平常心でいられないから。
一人で過ごすつもりだった先週末の誕生日。
入社以来、ずっと片想いをしていた彼と過ごすことができた。
彼が僕のためにケーキを予約して、手間暇かけて料理をし、スパークリングワインも用意してくれていた。
僕にとっては、とても大きなサプライズだった。
それは素直に嬉しい。
嬉しいのだけど、そのあと起きたことに問題がある。
あれはあれでとても濃密で、彼の恋人になれたのではと思ってしまいそうな出来事だった。
街中で、彼が女性と親密そうに歩いているところを目撃していなければ、片想いが成就したと思って今頃は舞い上がっていただろう。
——あれば彼女じゃねえよ——
彼が言ったことを信じたい。
彼がそう言ったのだからきっとそうなんだと。
でも、信じようとするたびに、2人が纏っていた空気が思い出される。
そこには僕が入り込む余地などないように思えた。
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