0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
わたしは、教室で5時間目の授業を受けていた。給食を食べ、昼休みが終わった後の時間。
「ある日、世界は1度終わりました」
先生の話を聞いていると、どうしても眠たくなってくる…。なんとか意識を現実へ戻そうと必死になるけれど、中々どうにもならない。
このまま足掻くのも辛いだけだ。なら、寝てしまおうか。と、考えて机に突っ伏そうとした時だった。
「では、この問題を百合川さんに答えて貰いましょう」
「え?」
突然わたしの名前が呼ばれ、夢の世界へと向かっていた意識が一瞬にして現実へとカムバックする。
「寝ようとしていたでしょう?見えていますよ。問題は、この世界が蘇ったのはいつか?ですよ」
先生はニコニコとしながら、わたしに問題を教えてくれた。周りからもクスクスと笑い声が聞こえる。全てがバレていたらしい…恥ずかしい。
「え、えっとぉ…」
しばらく目を泳がせる。確か、確かぁ…
「2000年前?」
「不正解です。正解は、3000年前ですね。アヴとイダムが創ったとされています。分かりましたか?百合川さん」
先生がわたしの念を押す様に言った。
「はい…」
「部活などで疲れているのは分かりますが、授業中に寝ないように。さてお話の続きをしますね」
先生はわたしを叱った後、授業へと戻った。ゆるりとなった空気は、すぐに授業モードへと切り替わる。
「また神様が世界を壊す前に、ガブリエルという神の言葉を伝える天使が、伝えに来たそうですね。
もちろんそれも、ガブリエルの1つの役割ですが…世界が終わる前の歴史書を見ると、ガブリエルは最後の審判と呼ばれる時にラッパを吹き、死者蘇生を行なったそうです。
最後の審判とは『世界が終わる時に、神が人類を裁くこと』という記載があります。つまり、神が人々を天国か地獄に行くかというのを決める、ということですね。
(*ここの情報には揺れがあり、ガブリエルが蘇生をした上で、天上の国に導くパターンや、決めるのは神ではなくミカエル、などの説がある)
もしこれが本当なら、ガブリエルは大変な仕事量になりますね」
先生は喋りながら、黒板に文字を書いていく。とても綺麗な字だ。羨ましい…
「では、どうやって世界がもう一度創られたのか、という事ですね。先程少し話した通り、アヴとイダムが創成したと言われています。そのアヴとイダムはどのようにして生まれたのか。
一説によると、神が創ったと言われます。また、イダムの体の一部がアヴであるというお話もあります。」
あぁ、やばい。また、眠くなる……。こんなお話に興味は無いから……
また先生に話しかけられた気がしたが、もう限界を迎えたわたしは夢の世界へと飛び込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!