なこの原点

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なこの原点

駒賀なこ。私はなこ。歌手を目指す高校1年生。 歌手…。もっと頑張らなくちゃ! なこが7歳の夏… 「なこー!スイカ食べよー!」 大きな声で私を読んでいるのは大親友の坂野美香だ。家が近くて、いっつも 遊んでいた。私よりも身長はいくつか小さかったけど、メンタルが強くて 何を言われてもピンピンしていた。 みかとはすごく気があって、好きな曲、教科、なんなら嫌いな食べ物まで同じだった。 いつも通りに放課後、私の家で音楽を聞いていた。 歌って、踊って楽しかった。 でも美香は二人で片方ずつつけていたイヤホンを外した。 そして、まんまるにの目でこっちを向いていった。 「クラスの子、誰か転校しちゃうらしいよ?」 私は気になった。誰だろうなーと興味があって聞いた。 「誰かわからないの?」 しばらくしてみかは性格に合わないトーンでこう言った。 「やっぱり、気になるよね。なこならそう言うと思った。」 不思議な感情にさせる話し方をするので、私は「どうしたの?」 と声をかけた。 そうしたら美香のほんのりとした笑顔に、その可愛らしいまんまるの目に 大粒の涙が流れた。 「その子、私なの。ごめんね、なこ。」 私は泣いた。一生分の悲しみを出したぐらい泣いた。 まさか、それが美香だとは思わなかったから、ずぅーと泣いた。 そして後日学校では「美香ちゃんありがとうの会」が開かれ、 クラス中が涙した。 先生には内緒で学校の近くの空き地にある、大きな松の木の下にタイムカプセルを埋めることにした。 それぞれが15歳になったら開けることを考えメッセージを書いていく。 なぜ20歳ではなく15歳にしたかというと頭のいい子がこう言ったらからだ。 「15歳は高校一年生の時のことだから、“受験”って言うなんか大変な事を終えた後なんだって。お疲れ様っていう気持ちを込めて15歳に開けようよ!」 みんなその意見に賛成した。 そして美香は遠くの街に引っ越して行った。 美香が行くとき、私は全力で手を振り、叫んだ。 「美香ー!!15歳の約束、忘れないでねー!」と。 もう15歳だ。そろそろかな?タイムカプセルを掘り起こす頃かな? あ、思い出した。 美香は音楽がすきだった。少し前にあったから連絡先を交換したけど、もう 会えない事も。 じゃぁ、せめて歌で繋げよう。有名な歌手になって美香に歌を聞いてもらう。 その時が少しでも早くなるように、頑張るね。美香。
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