![c13d7648-27f2-4e8d-a672-c359953218d8](https://img.estar.jp/public/user_upload/c13d7648-27f2-4e8d-a672-c359953218d8.jpeg?width=800&format=jpg)
「…ヒルデブレヒトの言うように、多分、あの世界には猿人間が溢れてたんだと思う。
そして確かにそんな猿に紛れて、ちゃんと人間も存在してたんだと思う。
でもね。私は知ってるの。あの世界には『人間の中身を持つ人間』は居たかも知れないけど『人間の男性はただの一人も居なかった』っていう事実を、私は知ってる。
誰がどんなに『そんな事ない』って言っても、それが嘘だと知ってる。
あの世界では猿人間達が組織的にその辺の何の力もない普通の女性を皆で寄ってたかって痛ぶってイジメ苦しめて嘲笑ってても、誰一人として猿人間達を止めようとしなかった。
猿人間達に混ざって攻撃が致命的にならないように調整する?そんな人間が本当に人間だと言うの?
『悪を悪だと名指しして告発する』という、たったそれだけの事すら出来ない人達を私は『弱者を庇い護る』事の出来るような『人間の男性』だとは認めない。
小さな子供か女性か或いは性別すら無意味になったヨボヨボのお年寄りなら、自分の身を護るので手一杯だろうし、女性が猿の集団に襲われてても、『自分はその間に逃げる』ような卑怯な保身に走るのも解るけど。
人間の男性があの世界にただの一人でも存在してたのなら、あんな状態が延々と10年以上も続く筈が無いって、どんなバカでも分かると思うの。
…私はあの世界をーー地球世界をーー『存在価値を認めないもの』に割り振ってる」
私の言葉を聞きながら…
ヒルデブレヒトが頷いた。
「あの世界には猿と卑怯者しか居なかったんだよ。俺も含めて…」
彼の頬には涙が光っていて
(真珠みたいに綺麗だ…)
と不謹慎なことを思った。
それでも私はあの世界を切り捨てた自分を間違っているとは全く思わない。
「…あの世界の最大の罪は『諜報工作とは何なのか』が徹底して隠蔽されてて、『ただの移民の民間人のつもりの寄生虫侵略兵』のような人達が量産されてても、その事実自体を皆が認識しないようにされてた事だと思う」
ヒルデブレヒトが理解できようが理解できまいが関係無しに
あの世界の倒錯ぶりに対して思う所を話しておこうと思う。
「あの世界では先進国に入り込んで根を張る寄生虫侵略の実行犯だけじゃなく、被害者である被侵略者側も共に『その行為に現象に何の意味があるのか』を何も考えないように思考誘導されてた。
在住国民の『集団的自衛権の行使』を『移民差別だ』と見做す物の見方をするように誘導されてた。
…猿なら誘導に乗せられて『侵略兵なのに被差別者を詐称し、自分達の嘘を自分達で信じる』ような外道な侵略の駒に成り下がって、自分達が悪である事実を自覚する事もなく生きてしまえる」
「でも人間は下等動物とは違う生き物だから、そうした外道な侵略の駒に成り下がって、自分の悪に気付かず居続ける事はできないと思う。
よその国に入り込んで『集団我田引水』を組織的にやってて、しかも祖国やらの支援が入ってて、明らかにそれは特殊軍事行動なのに、その事実に気付かずにいられる筈がないの、人間なら。
『俺達は一体誰を利するために侵略してるんだ?』と疑問に思うものだよ。
移住先の無辜の民間人を、コネもカネも無い弱い女性を、一方的に嗜虐して寄生虫のように在住国を蝕んでおいて、『自分達は間違ってない』と本気で思い込んで増殖・増長してしまえる集団を私は絶対に人間とは認めない」
「…私は、『人間の中身』は『最初は半人半猿』だと思ってる。人は人生を生きてる中で色々選択肢が起きて、その選択肢で何かを選ぶ度に、御都合主義的欺瞞に耽って猿になっていったり、欺瞞を削ぎ落として人間になっていくのだと思う。
私はさ…。『お前が猿人間を許さないせいで人類が繋がっていけずに滅ぶのだとしても、お前は猿人間を許さずに人類を滅ぶがままにするのか?』と責められたとして…
『そんなに猿人間どもが大事なら、お前自身が猿人間どもに搾取され、お前自身が猿人間どもに尊厳を蹂躙されてから猿人間どもを許し愛してみせるが良い!』と答えると思う」
「あの世界は猿人間達を去勢も抑制もせず、猿人間達に犠牲にされた側に対して、どこまでもどこまでも譲歩と許容と自己犠牲と清貧と喜捨を強要してた。
『お前達のような卑しい人種は利他的になる事でしか価値がない、利他的になりきれない日本人は無価値だから死ね』とばかりに最期の最期まで、標的に定めた相手を執拗かつ粘着に悪意と搾取欲でバラバラにし続けようとする世界だった。
気付かずにいられた人達は『まだ順番が回ってきてない』だけなんだよ」
「『侵略者達のヘイトクライムで犠牲にされた被害者を手懐けて引き寄せておこう』とする人達は『どうせ一度犠牲にされてるのだから何度でも盾として犠牲を強い続けるために利用してやろう』と思ってるだけ。
自分の心が猿人間達に壊される順番が回ってくる日を少しでも先延ばしにしたくて、犠牲者に同情してるフリをして何度でも犠牲にして盾代わりにしてるだけ。
あの世界には『人類の集合意識が纏まりを維持し続ける必要性』とか『人類の集合意識が纏まりを維持するために必要な体験の共有・同期化』とかを理解できてる人間はいなかったと思う。
既に詰んでるし、私達はあの世界を逃げ出せて運が良かったんだと思う」
私は地球世界に対して
もう何も
期待とか好意を持てない。
「期待すれば必ず絶望させられる」
という事が
余りにも繰り返され過ぎた…。
「…俺の知り合いだったヤツにもそういうバカが居たんだ。…付き合ってた女のエロ動画を隠し撮りしてネットにアップしてたヤツが…」
ヒルデブレヒトがそう言って
またハラハラと涙を溢したので
「…ちゃんと殺した?その鬼畜…」
と訊いてあげたけどーー
ヒルデブレヒトは当然ながら首を振った…。
地球では日本人女性を標的にした名誉毀損や信用毀損はやりたい放題だった。
特に犯人側が日本人のフリをして日本の金を啜ってる侵略者側だと
背後には彼らの祖国の特殊軍隊が控えていたし
日本人男性は尻尾を巻いて
「これは侵略者による在住国民へのヘイトクライムではない」
「これは有事ではない、国家の地盤は揺るいでいない」
「何も起きてない」
と必死で思い込んでいた。
犠牲者女性の苦しみなど
「存在してない」
という事にしていた。
国が国民を護らない
男が女を護らない
結果ーー
悪党はやりたい放題になる。
犯人達は
「ジャップ雌を消費して何が悪い」
「やり返してるだけだ」
という
「報復心を装った嗜虐心正当化」
を振りかざし、全く罪悪感も持ってないように見えた。
「解決できない事件や粘着なイジメ・執拗な逆恨み」
などは背後に
「同じ国の国民のフリをしていても実は異邦人だったり異邦ルーツだったりするアイデンティティの齟齬がある」
事が多いのだが
日本ではそういった事実は
不自然なくらいに誰もが口にしない。
日本では皆が皆
「悪党の悪事を不可視化する忖度」
に走っていた。
悪党が外国人や帰化人だと特に。
(何故そこまでして悪に媚びる必要があるのか…意味が分からない…)
と正気の人間は呆れるしかない。
同じように日本語を使って話していても
現実認識の土壌自体が大きく違えば
何故か会話が成立しない事態が起こるのだと思い知らされた。
「…俺の知り合いがやらかした時の事情としては、ソイツは某暴力団の幹部の娘と知り合いになって気に入られたらしくて、それまで付き合ってた女と別れて暴力団側の女と結婚する事になったんだ。
その結果、結婚相手の女が嫉妬深くて何かにつけて『以前の女に未練があるんだろう』と疑うせいで、それまで大事に自分だけで楽しんでた元彼女のエロ動画をネットでアップした」
「それに加えて『重い』だの『キショい』だの書いて『もう何とも思ってないんだ』って所を嫁とその親戚やその配下の連中に示して納得させようとした。
もうそれで、それ以上、元彼女を傷付けるような事はせずに済むと思ったし、自分自身も安泰だと思った。
それこそ、その昔にキリシタンを対象にした『踏み絵』と同じだよ」
「敢えて古い馴染みを傷付けさせて『好意はない』と示させるような通過儀礼が設けられて、それをしないと仲間として受け入れられない。
それをすると古馴染みとの間に溝が出来るので引き返せなくなる。
一種の敵味方識別信号として、新しい環境に馴染むため、古馴染みの方を自分の中で殺す。
それが正しいかどうかなんて何も考えもせずに、そうするように流される。
ソイツは…『自分が間違ってた』という可能性について考えないようにしてたよ」
「子供もできて、周りの物騒な連中も刺激せず、上手に媚びて、そのまま普通に生きられると思ってた。
だけど、ずっと後になって元彼女だった女性が自殺したと聞いて、その後は鬱になった。
着替えもせず風呂にも入らず、何もできず、飯を食うのすら忘れて日がな一日空中をボーッと眺めて死んだ魚みたいな目になってた。
嫁から愛想を尽かされて離婚されて婚家を叩き出されて、しばらくホームレスみたいな暮らしをして、その後、親戚に精神科に連れて行かれて薬物療法の末に社会復帰したけど…幸せそうではなかった。
『ただ生きてるだけ』という状態で生き続けて、そのうちとうとう自殺した」
ヒルデブレヒトがそう話すのを聞いても
私はその男に対して全く
「可哀想」
だと思ってあげる事ができない…。
どうしてもーー。
mali principii malus finis
(悪い始まりには悪い終わりがある)
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