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「さて、今から、お話しすることを信じるかどうかは、あなた次第。ありえないことと思っても、これは、現実世界で起きていること。あなたは、選ばれし迷える子羊。あなたが、これから経験することは、一切他言無用。」
コータスさんの声のトーンが下がり、まるで呪文のように、一気にまくしたてた。
信じるかどうかは、自分次第と言われても、このアナザーワールドコースターは、過去に戻って、違う未来へ進めると聞いて、是非とも、乗りたいと思ったんだ。本当に、そんなことができるのか……。
「あの時、あの瞬間の決断を行動をやり直したいと思っているのではなくて? それならば、アナザーワールドコースターを信じることが全て。信じるものにだけ、新たな道は開かれるのよ」
なるほど。信じる者は救われるということか。
「ここまで、ご理解いただけたなら、合言葉を覚えてもらうわ」
『私は、選ばれし迷える子羊。』
コータスさんは、なんとも不思議な合言葉なるものを教えてくれた。
「これから、アナザーワールドコースターに乗車するにあたり、あなたは、この合言葉が必要になってくるわ。しっかりと覚えておいてね」
忘れないように、ぶつぶつと呟いておこう。それにしても、さっきから、子羊とはなんだろう……。
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