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「はいッ今日も見てくれてありがとぉー。次の配信は金曜日の22時からやるよぉー。またみてねぇー」
配信を切りヘッドフォンを外す。体を背もたれに預け大きく伸びをした。
はぁー疲れた。でも、今日も沢山の人がみにきてくれたなぁ。
私はこれでもこの動画配信で生計をたてているインフルエンサーというやつだ。ファンの中には私を神だと言って崇める信者もいてそれなりの人気がある。
ルンルンと鼻歌まじりにスマホを見て自分のSNSのページを見る。するとDMが何通か来ていた。私はメッセージをタップして中身を確認していく。
今日もメールはてないかぁ。
鼻歌はなくなり溜め息が漏れる。
分かっていることだけどやっぱり落ち込んでしまう。
私こと、朝倉沙也は、四歳のときに突然いなくなったママを探す為に動画配信を始めた。こうして動画配信をして有名になればママの目にふれる可能が出てくる。そうすればきっと向こうから連絡がくると信じて私は必死に動画を配信続けた。でもそんなことが直ぐに淡い期待なのだと気づいく。もし私の事を捨てたのだとしたら今動画を見たとしても向こうから連絡なんてするはずがない。
でも、それでもだ。私は少しの可能性でもあるならその可能性を信じたい。
再び背中を椅子に預けぐったりとする。ふと明日の準備が気になりキャリーバックの方を見る。
今日実家から鉄じいの体調が悪いから面倒を見て欲しいと電話があり急遽明日は実家に帰る事になったのだ。
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