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絵に描いたような夕陽の海辺と陽茉莉。
吹き始めた柔らかな風と、淡い黄色の春の装い。それが何だか絵になりすぎているというか、文字通り絵なのではないかと思えてしまう。
失礼なことを言うが、こんなに絵になる奴ではなかったはずだ。言い方に困るが、どこか完璧すぎる気がする。
こんなに綺麗な構図で、綺麗な立ち振る舞いや姿で……いや、これでは酷い惚気みたいだな。違和感の正体は本当にこれだろうか?
目をぎゅっと閉じて、両方の頬をぱちっと叩き、目を開けてみる。
そこには夕陽を背に、逆光になった陽茉莉が居て、陰でもわかるくらい楽しそうにキラキラと笑っていた。
彼女の目に冷たい青っぽい光が反射しているように見えた。青い光など見当たらない。もちろん、目が青いわけでもない。
何故だかわからないが、その光が気になって、ずっと目を離せないでいた。
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