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 私は、それから机に突っ伏し泣いた。 (何よ!私の気持ち、ちっとも分かってない!) 心の中で私は悪態をつく。 (お父さんのバカ!自己中!大嫌い!) 暫く泣き続けた私は、少し落ち着きを取り戻すと顔を上げた。 気付けば、部屋は真っ暗になっていた。 今日も、お母さんは夜勤。 私は溜め息をつきながら立ち上がり、電気をつける。 (そう言えば…お父さん、どこに行ったんだろう?) 私は、キョロキョロと辺りを見回した。 「お父さん…?」 呼んでみるが返答はない。 もしかして…成仏したのだろうか? それなら、それで良い。 私の思い出の中のお父さんは、あんな感じじゃなかった。 小さかったから、あまり覚えてないけど…優しいお父さんだった。 あんなに自己中だと思わなかった。 絡みもウザいし… 「きっと、成仏したんだ」 自分を納得させるように、声に出して言い聞かせてみる。 でも、私の心はスッキリしない。 「もう!何でこんなにモヤモヤするの?」 私はモヤモヤを胸に抱えたまま、ベッドに潜り込んだ。 (今は、何も考えたくない…) 私は目を瞑ると意識を手放し、眠りに落ちていった。  翌朝、カーテンの隙間から差し込む光で、私は目を覚ました。 酷く瞼が重く感じる。 「これ…絶対、瞼腫れてるじゃん…」 枕元にあるスマホを引き寄せ、カメラをインカメラに切り替えた。 「ウッ…酷い顔…」 思わずスマホを伏せた。 「瞼冷やさなぎゃ…」 私はノロノロと起き上がり、キッチンへと向かった。 「休みで良かった〜」 今日は土曜日。 こんな酷い顔で学校になんて行くのは嫌だ。 ましてや、弦太にこんな顔見られたくない。 私は、冷凍庫から保冷剤を取り出し、部屋から持って来たハンカチに包み瞼に当てた。 冷んやりとして気持ち良い。 「気持ち良い…」 心地良い冷たさのおかげで、私の頭も少しずつクリアになる。 昨日の出来事も冷静に考えられる。 「お父さんに、言い過ぎちゃったかも…」 悲しそうなお父さんの顔が頭に浮かぶ。 その途端、私の心に後悔の波が押し寄せる。 私は、居ても立っても居られず呼び掛けた。 「お父さん…私の近くにいる?」 お父さんは現れない。 「昨日はごめんなさい。私…酷いこと言っちゃった…」 辺りを見回すが、やっぱりお父さんは現れない。 「お父さん…怒っちゃったのかな…?」 私は両手をキツく握り締める。 (お父さんを傷付けた…私のバカッ!あんなの八つ当たりじゃん。せっかく、お父さんに会えたのに…) 心の中で自分を責める。 「お父さん!ごめんなさい…戻って来て!」 私が再び呼び掛けた時、インターホンの音が鳴り響いた。 「誰?まさか…お父さん…?」 呟きながらモニターを確認すると、弦太の姿が映し出されていた。 「弦太!どうしたの?」 私は驚き、モニターの弦太に話し掛けた。 「結衣…突然ごめん。話しがあるんだ。ちょっと良いかな?」 (え!嘘…こんな酷い顔、弦太に見られたくない。それに、頭もボサボサ!) 私は、突然の事にパニックだ。 何とか気持ちを落ち着かせ、弦太に話し掛ける。 「急用なのかな?私、さっき起きたばっかりなんだよね」 「あ〜そうか…ごめん。出直した方が良い?」 バツが悪そうな弦太に、私は慌てて答えた。 「少しだけ待っててもらっても良い?秒で用意する」 「あはは。そんなに急がなくても待ってるから大丈夫だよ」 私は、それから速攻で用意をした。
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