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 私は、この道が嫌いだ。 なぜなら…この道でお父さんは事故にあった。 私が5歳位の時、良く晴れた休日にお父さんと一緒に公園に向かってた。 この道は住宅街を通る道。 決して広くない。 人通りが多い為、車は徐行しながら走行してる。 でも、その時は違った。 突然、後方から猛スピードの車がやって来た。 お父さんは私を庇って…はねられた。 その後の記憶は…あまりない。 お母さんの話では私はショックのあまり、暫く話す事ができなかったらしい。  お父さんが亡くなってから、私はお母さんと支え合って生きてきた。 「はぁ〜また、この道を通るのか…」 私は暗い気持ちで、この道に立つ。 この道を通らないと駅には行けない。 「仕方がない…」 一歩踏み出した時、後ろから声が聞こえた。 「結衣、おはよ〜」 振り返ると、幼馴染の弦太が立っていた。 弦太は小学校の時に、近所に引越してきた。 泣き虫で、いじめられて良く泣いてた。 なんだか放っておけなくて、私はいじめっ子から弦太を庇っていた。 そこから仲良くなって、腐れ縁で今も同じ高校に通っている。 「あれ?弦太、最近早いね〜いつも一本遅い電車に乗るじゃん」 「うん…生活改めようと思ってさ〜」 「まぁ…いつも遅刻ギリギリだったもんね〜」 「そうそう。さすがにヤバいかな〜って思ってさ」 「良い心がけじゃん」 「だろ〜?」 私達は、他愛もない話をしながら駅まで歩いた。 不思議と弦太と話していると、あの嫌な道も気にせず歩ける。 朝が弱い弦太が、最近は私と同じ電車に乗る事が増えている。 そのおかげで、私は朝から暗い気持ちにならずに済んでいた。
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