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報告書を提出し終わり、長い一日が終わった。
その後の夕食会で麗奈は質問攻めにあいながらも、同期たちの目が輝いているのを見て、黒野先輩の存在感がどれほど大きいのかを実感する。夕食を食べ終わると自由解散となった。明日に備え、各々帰路に着く。帰り際麗奈は穂乃果に呼び止められ、別室に連れて行かれた麗奈は、穂乃果の真剣な表情に少し緊張した。部屋の中には、書類や資料が整然と置かれており、明かりの下で彼女たちの影が長く伸びていた。
「ここで病魔滅菌ボーナスを受け取ることになるから」と穂乃果が説明した。麗奈はその言葉に驚きつつも、期待感が高まった。穂乃果が書類にサインを求めると、麗奈は緊張しながらも自分の名前を書いた。穂乃果は溜息をつき、チラッと麗奈の顔を見る。「ホントはいけないことなんだけどね、他人に滅菌数を譲渡するのは……まぁ、今回は大目に見るけど、次からは実力でここに来なさいね」彼女は真剣に頷き、「わかりました、次からは自分の力で頑張ります」と答えた。穂乃果は少し笑みを浮かべ、「それでいい。美雷の隣を歩けるように頑張りなさい」と励ましの言葉をかけた
病魔滅菌ボーナス
この制度は、滅菌者たちのモチベーションを高めるために設けられたものだった。病魔滅菌数が多いほど、その成果が直接ボーナスとして還元される仕組みになっており、滅菌者の資格取得は人気が高い。
ボーナスに税金はかからないため、実質的な報酬が大きいことも励みになる。ボーナスの内訳は以下の通りである。
シックネス:千円
イルネス:一万円
ディジーズ:十万~一千万
*ディジーズは脅威度により金額が変わる
穂乃果曰く、美雷の前年度のボーナス総支給額は会社史上最高の三千万だという。多い時には日に数百万稼いで帰るそうだ。あれだけ力があれば余裕なんだろうと軽く考え、麗奈も帰宅した。
帰宅しテレビをつけると、美雷の戦闘シーンが流れ、ついでに自分も映っていることを確認した。「こんな風に映るなんて、思ってもみなかった」と独り言をつぶやき、チャンネルを変えようと手を伸ばす。ニュースキャスターは、美雷の行動が引き起こした二次災害の影響を詳細に報道し、その結果としての社会的な混乱や被害者の声を取り上げる。彼女の勇敢さが称賛される一方で、過剰な行動がもたらした影響は無視できない問題として浮上してきた。視聴者にとって、美雷の行動が英雄的であると同時に、反省を促すきっかけにもなっているようだ。
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