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この問題は過去にも何度か取り上げられており、メディカン側は迅速に補償対応を行っているため、大事には至っていないようだ。補償が行われることで、被害を受けた人々の不安が軽減される一方で、企業の責任についての議論も続いている。社会全体がこの問題をどう受け止めるか、引き続き注目されるだろう。麗奈は着替えた後、すぐにベッドに倒れ込み、深い眠りに落ちた。入社式は、緊張と期待の入り混じった体験で、体力的にも精神的にもかなりの疲労を感じていた。
翌朝、麗奈はすっきりと目覚め、少し早く家を出た。肌寒い朝の空気に包まれながら、電車に乗り込むと、心地よい温もりに安心感を覚えた。出社すると、そこには既に美雷の姿があった。
「早いのね。せっかくだし、もう仕事しようか。まずそのスカートを履き替えて、スラックスかスーツになってきて」一方的に話を進める美雷を麗奈は制止し、少し声を大にして言った。「待って!スカートの何がダメなのか、理由を教えてください。私がなんでも言うことを聞くと思わないでください!」
その強い言葉に、美雷は驚く。美雷は少し不満そうに言った。「ホント生意気ね、私に意見する人なんて穂乃果先輩ぐらいなのに…」麗奈はその言葉に驚いたが、反発する気持ちが高まり、「私は私の考えを持っているし、意見を言うのは大事だと思います」と返した。
美雷は続けて説明した。「スカートだと外回りの時、病魔に遭遇した際に動きづらい。だから、スラックスの方がいいと思っている」麗奈はその理由を聞いて納得はしたものの、朝からの一連のやり取りに少しイライラしていた。美雷との関係は今のところ険悪で、互いに理解し合うには時間が必要だと感じていた。
麗奈は隊服に身を包み、美雷と合流した。普段は目立つ隊服を避けているという美雷。フォーマルスーツでも凛とした様子が伺える。メディカンの業務開始時刻ではないため、周囲は静まり返り、通信部からの連絡もない。二人は無線機をポケットに入れ外に出る。
美雷は麗奈を見つめ、言葉を続けた。「これから私たちは、会社のミーティングには参加せず、外で病魔滅菌に専念する。もしこの仕事が耐えられないと感じたら、遠慮なく言え。他の仕事に回ってもらうから」。想像していた仕事とはまったく違う現実が目の前に広がっている。彼女は外での厳しい任務に驚きを隠せなかった。
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