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ステライルは国家資格であり、病魔を滅する者に与えられる。資格取得後は免許を取ると報酬を受け取れたり、常時滅器の携帯が可能となる。
高校では、病魔から身を守る授業が行われており、希望する生徒は資格を取得できるシステムが整っている。この資格にはランクがあり、ランクによって対応できる病魔の種類が異なる。
Cランク・・・資格取得者はここからスタート
Bランク・・・シックネスを1人で滅することができる
Aランク・・・イルネスを1人で滅することが出来る
Sランク・・・ディジーズ以上を1人で滅することが出
来る
病魔
世界に蔓延する感染症は、目に見える形で人間を襲い始めた。病魔のランクは、感染症の種類や危険度によって異なり、軽度なものから致命的なものまで存在する。
シックネス・・・軽度、中度
イルネス・・・重度
ディジーズ・・・未知の病、死亡率の高い感染症
話は戻るが、美雷は史上最年少の十七歳で滅菌者のSランク資格を取得していた。この資格は最も高いレベルであり、対応できる病魔の種類や危険度も非常に幅広い。
別視点へ
オーダーメイドスーツを身にまとった彼女は、入社式に姿を現した。背筋を伸ばし、全員が揃うのを待っていると、開始五分前に美雷が入室してきた。そんな美雷を気にすることもなく彼女は堂々とした態度を崩さない。彼女の名前は、守光 麗奈。いわゆる優等生タイプの麗奈は、不真面目で怠惰な人間が嫌いな性格だった。彼女は常に真剣で、目標に向かって努力することを重視している。
社長の話が終わり、会社案内兼交流会が始まった。麗奈は、他の新入社員たちと共に案内役の社員に着いていく。そのとき、近くからある声が聞こえてきた。
「ついに来たな!去年の雪辱を晴らす日が!お前のその生意気で傲慢な態度をへし折ってやる!」
「勝手にすれば?」
一人は美雷、もう一人は白鳥雷十。雷十は去年美雷にプライドをズタボロにされ、それを一年間ずっと根に持っており、いつかその雪辱を果たすことを強く誓っていた。
美雷は鬱陶しそうに雷十を手で払い、会議室から出ていこうとした。しかし、雷十はその行く手を阻み、勝負しろとしつこく迫る。彼の目には強い決意が宿っていた。周囲の視線が集まり、緊張感が高まる中、美雷は立ち止まり、雷十を冷静に見つめた。美雷は大きな溜息をつき、雷十の胸ぐらを掴んだ。その瞬間、周囲は静まり返り、緊張感がさらに高まる。
「調子に乗るなよ、雑魚。私はあんたみたいなやつに無駄な力を使いたくないだけ。私と争ってる暇があったら病魔を少しでも滅して来なさいよ!」
美雷は雷十の胸ぐらを離した後、冷静に彼に向き直り、「これで最後」と告げてから会議室を後にした。彼女の言葉には、強い決意とともに、二度と無駄な争いには付き合わないという意志が込められていた。
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